魔法少女まどか☆マギカ 感想

最終話迄のネタバレが含まれていますのでご注意下さい。

2011冬クールのTVアニメ「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」公式サイト(全12話)が完結しました。
視聴したTBSの放送からは多少時間が経ち終了直後の高まりの様なものは殆どありませんが逆に冷静に成れば成る程この作品の凄さが増して来ているのが今の率直な感じです。
此処まで感銘を受け心揺さぶられる創作物に出逢ったのは久し振りかも知れません。

【全体】
個人的レイティング。
初回 ★★★☆☆
二話 ★★★★☆
三話 ★★★★☆
四話 ★★★★☆
五話 ★★★★★
六話 ★★★★★
七話 ★★★★★
八話 ★★★★★★
九話 ★★★★★★★
10話 ★★★★★★★★
11話 ★★★★★★★★
12話 ★★★★★★★★★★
まぁ非常識にも程がありますがこんな感じなので仕方ありません。(笑)
当初の印象はそれ程高いものではなく完全にスタッフの名前とタイトル詐欺に引っ掛った気分は正直ありました。(笑)
それでも音楽(OPやED含め)の使い方や印象的な映像構成等は最後まで凄く光っていましたし何よりも計算尽くなのか副産物なのかQB(キュゥべぇ)の冷酷な悪役振りに注目が集まるというのも見所?だっかも知れないです。
そして主人公である鹿目まどかが中々魔法少女に成らないというある意味タイトルのギミックを延々と引っ張って10話であっさり引っ繰り返された時はホント鳥肌が立ちました。
この間延々と傍観者であった事がまどかの最後の大きな決断材料のひとつになっていたんだろうと思います。
10話を視た後一時休止に入った訳ですが"一時はそのまま打ち切りか"といった噂が有った時に"そのまま打ち切りで視聴者に判断を委ねる形でもいい"と思ったのですがそれは考え違いで何の材料も示さず丸投げする事は駄目ですよね。
尤も某局なら11話以降で映画作るねきっと。(爆)
冗談は兎も角結果的に一挙放送という映画の様な形での放送も良かったと思います。

鹿目まどか】 (悠木碧)
主人公なのに中々魔法少女にならないという事でタイトル詐欺(実際他の魔法少女が登場しているので違いますが)かと別の注目を集めましたが実は暁美ほむらより先に魔法少女だったんですね。
多分登場人物の中では恵まれている筈のまどかは一体何を願ったんでしょう・・・。
やはり"みんなの幸福"といったあたりでしょうか?
そう考えるとほむらの登場も必然とさえ思えます。
全てがまどかの願いの果ての織り込み済みの展開だったとしたら凄いです。
そうなると当初からまどかがほむらに対して嫌悪や警戒の気持を持たない事も理解し易いです。
もう一つまどかは神となったのかですが人間から(QB含め)認知出来ない実体を持たない存在となりましたがQB曰く「一段階上の世界に上がった」という事なので四次元へと移行したのではないかなと思いました。
その存在を神と呼ぶ事はあると思いますが全ての因果を覆した訳ではなく仕組みを組み替えただけなので所謂創造神ではないのでしょうね。(無神論者で宗教的な事は詳しくないのでイメージとして)
魔法少女に力を与えているのがQBではない事からも伺えます。
まどかが犠牲者かというのはほむらやこちら側の人間(視聴者)からすればそう映るのかも知れません。
でも想いが遂げられて一切彼女自身そうは思っていないと受け取りたいですしそうは思いたくありませんがそもそも願いと引き換えとは言え魔法少女になって闘い続ける事は犠牲的精神がなければ出来ないとも言えますね。

暁美ほむら】 (斉藤千和)
当初クールなキャラクターで謎が多い存在でしたが孤独な闘いをしていたのですね。
まどかとの再会をやり直す為だけに魔法少女となり影でまどかの「魔女にはなりたくない」という願いを叶える為時間遡行を繰り返していた健気な姿には心が痛みます。
結果的に皮肉にもその数多な試行錯誤の結果がまどかに大いなる資質を与えた訳ですが病弱だった彼女を心身共に強靭にしたのも時間遡行なのかも知れません。
描かれてる以上に時間遡行をしていたのは間違いありません。
もう一つ謎なのは描かれていない家族の存在ですがやはりいないと考えるのが妥当なんでしょうか・・・。
若しかしたらまどか以上にキツイ役回りだったのかも知れませんが新たな世界で唯一まどかを認知している存在でまどかのリボンをしてまどかの武器で闘う姿には涙が出ましたが一方でとても幸せそうにも感じられました。
まどかが魔法少女になる事を阻止する事は出来なくても魔女とならずにすんだのですから。
きっと「また逢える」の言葉を胸に人類最後の一人として(繰り返しの時間遡行で不老不死となったのか近未来なのか・・・)魔法少女として全うしてまどかと再会したんでしょうね。
ほむらは裏主人公と言われたりもしますが立派なもう一人の主演だったと思います。
"ほむほむ"が一番好きなキャラクターです。(笑)

巴マミ】 (水橋かおり)
"マミさん"はまどかを勧誘した張本人ですね。(笑)
事故の瀕死状態でQBに騙されちゃった?(笑)のですが出番も少なく戦闘シーンではいいところが殆ど描かれていません。
でも割と一般人の感覚常識を持った存在で人当たりも良く12話では佐倉杏子とまどかとのスリーショットがありましたから素敵な先輩だったのでしょうね。
まどかの居無い世界では復活(魔女が居なくなったので)していたので使命を全うしたのだと思います。

美樹さやか】 (喜多村英梨)
さやかなりに悩んで魔法少女となり恋に破れ魔女になったり消滅したりある意味一番の犠牲者のようにも感じられます。
でも上条恭介の為の願いは叶い新世界で最後まどかと共にその姿を確認して納得したようなので良かったんじゃないかと思います。
その後はきっと親友のまどかと一緒だったでしょうから。

キュゥべえ】 (加藤英美里)
ある意味QBの存在があったからこその盛り上がりでした。
キュートな姿に似合わず凄腕営業マンの"悪役"でした。
役回りはそうであっても善か悪かを問うても感情のないQBには理解出来ませんしただ粛々と事を運ぶだけでそもそも交換条件でどんな願いも叶える(QB自身ではないようですが)のですからクーリングオフも適用されません。
あ詐欺師か。(爆)
インキュベーターとかエントロピーとか言われてもね・・・。(笑)
そんな極悪非道と感じる(勿論私も)のもQB自身に感情がないことからですが寧ろあったらQBは人類進化の手伝い等せずに本当の家畜としていたのが妥当だった(人間はそうしてます笑)と考えると単なる善悪では語れませんし本当に悪なのかもわかりません。
この"人間の感情"は結構物語の肝ではないかと思うのですが魔女や新世界の魔獣は絶望や呪といったネガティブな感情から生まれてくるのですよね。

佐倉杏子】 (野中藍)
第一印象は余りいいものではなかったですが壮絶な人生を歩んでいたり苦労してるんですよね。
マミとも知り合いだったみたいですし友達思いのいい子で最後はちゃんとさやかと友達になれてた様で良かったです。
ポッキーとコネクトが流れるゲームのシーンは印象的でした。

【志筑仁美】 (新谷良子)
まどかとさやかの親友で結果的には一番いい思いをしていた様にも見えます。
放送休止中は若しかしたらジョーカーになりうるかもと深読みしましたが結局何もせず何も知らないままで終わりました。(笑)
恐らく一般人代表としての役回りだったんでしょう。
きっと世の中では仁美と同じように自分の知らないところで命を懸けて頑張っている人達が沢山いて知らない内にその恩恵を受けているのかも知れません。

ワルプルギスの夜
名前の由来からどうやらネガティブなものの集合体でパワーアップしたまどかが魔法少女となり倒していますがその後は地球を滅ぼす最悪の魔女となるしかありませんから事実上"その世界"の中では倒す方法がないと思われます。
何故ならほむらは描かれていた以上の時間遡行を繰り返していたからこそ最後に絶望し諦めかけたのだろうと感じたからです。

何とも壮大な物語でその終焉はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか判断が難しい事は間違いなさそうですが少なくともバッドエンドと言ったらまどかは悲しみそうな気がします。
命あるものは例外なく死を迎える訳ですしまどかを覚えているほむらが居て仄かであっても記憶の片隅に存在を残している家族が笑顔で暮らしている事は何よりのまどかの幸福に違いありません。

・・・等と言ったらQB扱いですか?(爆)

二期を待望する声も少なくないようですが個人的には余り望んでいません。
その先が無さそうに感じるエンディング以降を描くのなら兎も角それ以外でしたら単なるスピンオフでしかありませんから積極的には望みません。

最後に全ての出演者スタッフ関係者の皆さんに感謝します。

ありがとうございました。

魔法少女まどか☆マギカ

主題歌
OPテーマ 「コネクト」 /ClariS (SMEレコーズ)
コネクト(アニメ盤)
EDテーマ 「Magia」 / Kalafina (SMEレコーズ)
Magia(アニメ盤)
声の出演
鹿目まどか 悠木碧
暁美ほむら 斎藤千和
巴マミ 水橋かおり
美樹さやか 喜多村英梨
キュゥべえ 加藤英美里
佐倉杏子 野中藍
志筑仁美 新谷良子
メインスタッフ
原作 Magica Quartet
監督 新房昭之
脚本 虚淵玄 (ニトロプラス)
キャラクター原案 蒼樹うめ
キャラクターデザイン 岸田隆宏
シリーズディレクター 宮本幸裕
総作画監督 谷口淳一郎・高橋美香
アクションディレクター 阿部望・神谷智大
プロダクションデザイン 劇団イヌカレー
レイアウト設計 牧孝雄
美術監督 稲葉邦彦
美術設定 大原盛仁
色彩設計 日比野仁・滝沢いづみ
ビジュアルエフェクト 酒井基
撮影監督 江藤慎一郎
編集 松原理恵
音響監督 鶴岡陽太
音響制作 楽音舎
音楽 梶浦由記
アニメーション制作 シャフト

魔法少女まどか☆マギカ [番組公式]
魔法少女まどか☆マギカ | TBSテレビ

長文駄文に最後までお付き合い戴きましてありがとうございました☆

KAkashi